いただいた地方での仕事に携わっていて
訃報を受けてもすぐに駆けつけられなかった。

あれだけ力を貸してくれたのに
葬式にも出ないなんて薄情なヤツだ
と自分を責める数週間が過ぎ

ご家族のお許しを得て
東富士五湖道路を走った。

沿道の樹々は染まり始めていたが
富士山は雲霧の中。
きっと、拗ねてる。

迎えてくれた奥さんとご両親。
その気丈さと静かさに、喉の奥が詰まる。

しばし後飾りの前で、立ち尽くす。

たくさんの献花、山盛りの果物
灯った蝋燭とスーーっと線香からのぼる煙
そして好物のかた焼きそばと、餃子

促されて座布団に座る。

一番最初に作ったウェットスーツ着て
自慢げに笑ってる。
よりによって遺影それかよ。ずるいわ。

年下だった。
偏狭な僕をいつも理解してくれた。
根性あるヤツだった。
誰からも愛されていた。
ずっと病気と闘っていた。

いい男だった。

長い長い戒名。
「お坊さんから意味を教えてもらった」
と親父さんが紙を見せてくれた。

「人に喜ばれることをする。誠実に真剣にやる。次に繋げる」

彼らしいと思った。
彼の分までそうしようと思った。

帰路、西陽をまっすぐ受けた。
まぶしさの向こうに、大きな影が現れた。
富士山だった。

杉田さん、ありがとう。
そっちで潜るポイント、開拓しといてね。
また共に、潜ろう。

(去る9月28日、我々の大切な仲間である杉田インストラクターが永眠されました。心の整理が全くつきませんので、しばし時間の流れる力に頼らせてください。生前の彼がラフィンに関わる全員にもたらしてくれたことを、ことあるたびに思い出し、次に繋いでいこうと思います。)

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