お客様にお越しいただくことの嬉しさに
高低をつける気持ちは微塵もないですが
遠方からお越しいただく方々
のお住まいの地域に行ってみますと
「えーーーーーーーこんな遠いところから!!!」
と驚きとありがたさが増します。
今日は先に言っておきます。
前日遅くまでお仕事頑張って
眠い目擦って早起きしたり
何時間もハンドル握ってくれたり
渋滞ハマっておしっこ鬼我慢したり
寝過ごしてエグい駅に着いたり
帰りは疲れ果てて車中で寝落ちちゃったり
それでもわざわざ伊豆まで、
毎月のようにお越しくださるあなた。
ありがとうございます。

さて、
先日、そんなうちの大常連のお一人である
O島さんが御住職をされている
栃木県益子町の圓通寺さんに伺いました。
「紅葉がすごいからきてよー」
と何年もお誘いいただいてましてね。
すでにいってる他の常連さんたちも
「すごくよかった!」と絶賛してたので、
ようやく伺うことができました。
この山門、室町時代に作られたもので
国指定の重要文化財だそうです。すげーーーー。


階段を登るとイチョウの黄色い絨毯が敷き詰められ
そこでO島さん自ら銀杏を収穫していました。
参拝客に配るんだなんておっしゃっていましたが
多分、こういう姿をみたお檀家さんが銀杏和尚って呼ぶんでしょうね。
(沢庵和尚みたいな感じで)

ということで、
これから銀杏和尚と呼ぶことにします。
まずご祈祷してから本堂にあがらせていただきます。
気を抜いているとそこかしこに指定の文化財があります。
海での銀杏和尚は
バディに子供みたいな悪戯したり
ピットブルみたいなサングラスしたり
お茶目な方ですが
室町時代から続く由緒あるお寺と
仏道を堅く守り続けている人なんだなぁとシミジミ思いました。


突然押しかけたのに、くまなく案内していただきました。
広大な境内、そこかしこに紅葉が誇らしげでした。
赤も200色あんねんなぁ。


境内は奥に行くほど山になっており
歩きやすい長く続く遊歩道が敷き詰められておりました。
実はこの遊歩道はうちの大常連のM社長のお仕事。
重機を入れられなくて全部手作業と聞いていたので
心して歩きましたよ。
由緒あるお寺に相応しい丁寧なお仕事でした。


若かった頃と比べて、
紅葉がことさらに沁みるようになったのは
自分が落葉期に入ったからでしょうか。
僕はこんなに美しく生きることができているのでしょうか。
こんな風に散ることができるでしょうか。


己がそんな季節になっていてもおかしくはないか。
そう気がつく反面、
全てを知った好々爺にはまだなりたくないもんなー
というクソガキみたいな声も聞こえます。


神仏と向き合うということは
これまでの自分の言動を振り返ることにつながって
結局「きみ、まだ何も成し遂げていないよね」
「ジブン、もうちょっと頑張ってみよかー」
と優しく叱られた気持ちで帰ることになります。
遠くから来てくれる人がいたり
いつも来てくれる人がいたり
一生懸命働いたお金をいっぱい使ってくれたり
それを当たり前に感じてしまうと
てめえの1ダイブに込める仕事が軽くなる。
頑張らないとね。


鐘の中に入らせてもらって優しく突いてもらいました。
柔らかくも重く低い鐘の波が脳から全身をめぐり爪先まで震えました。
幾重にも連なる倍音を
鐘の中でぐぁんぐぁんと浴びながら
煩しい悩みを払ってもらった気分になりました。
(あんな音、初めてでびっくりしました)


本当はもっと見せてもらってるんですがここまでとします。
秋以外にも、季節を感じられる草花がいっぱいあったし
こんなにゆっくり回れるお寺ってなかなかありません。
看板すら出してない静かなところです。
室町時代からこの山はずっとこんな感じなんでしょうね。
ぜひあなたも訪れてみてください。
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銀杏和尚様、お忙しいところありがとうございます!
また海でお待ちしています。
