流氷の季節

今年も熱い冬がアムール川からやってきました。
流氷です。

(展望台から羅臼沖を望む。向こうに浮かぶのは北方領土、国後島)

厚岸で牡蠣食べたり、納沙布岬で凍えたあとは、根室でお寿司食べたり。
そんな初日でした。

いつもの宿では、このコロナ騒ぎで当月220名キャンセルとのことでしたが、いつもように歓待してくれました。

いよいよ流氷ダイビング。

青い!氷の青さに視線を奪われます。

ベタ凪の水面。程よく冷えて水温−1度ほど。

初日はこの氷で。

この準備中の心理状態っていうのが、ビギナーの頃に戻ったようで本当に楽しくて。

スガモと呼ばれる海草と流氷。
本当はオオアマモと一緒に撮りたかったんですが、うまく撮れませんでした。

氷が作るダイナミックな光景、繊細な表情に見とれてしまい、僕の写真の腕では上手く切り取ることができませんが、心のハードディスクの容量いっぱいに記憶させました。

氷怪獣とダイバー。

オーバーハングで陽光の角度が変わると、また氷の表情が変化します。

このダイビングは、特に浅場が美しかったです。ほぼ浅場。

例によって「寒くないの?」と聞かれると思うので書いておきますが、冷たいです。水温はこれ以上下がらない−1度です。

対策としてドライスーツの中にインナーを非常に厚く着込みますので、海中では全く寒くありません。

「伊豆のほうが寒い」という人もいるくらいですから、これは完全にインナーの問題ですね。寒い人は、「そりゃ寒いでしょ」と納得するインナーだったり、重ね方をしています。

僕も流氷ダイビングを始めてから、インナーの種類、重ね方など大分実験して勉強になりました。

なにより、こんな光景が目の前に広がるので、アドレナリンやらドーパミンやらセロトニンやらオキシトシンやら脳みそダダ漏れなので、寒がってる暇がないんですよね。

面白い形のつららー。

今回出会えた生物

今回、流氷が過去最高レベルでドカーンと来てくれたんですが、春濁りもバコーンときてくれちゃいまして、かなり海中グリングリーン。

ヒダベリイソギンチャクの橙と、グリーンの海の補色関係。

オショロミノウミウシ
水深−15m

ステキなコート着てますよね。

ホテイウオちゃんは、誰がなんと言おうとかわいい。

クリオネ、なかなかピント合わん!

浮遊物が多い中、なんとかここまで撮れました。
「わーい雪だー!」とでも言ってると思ってください。

海中は午前中からナイトダイブの様相。
そしてこの暗さが、我々にとんでもない宝物を持ってきてくれました。

その名はアバチャン!

羅臼に通うようになって、「いつか会ってみたいなぁ」と思っていたのが、アバチャンという魚。

冷水域に棲む深海魚の一種で、通常は−300Mくらいのところにいるのが、流氷の時期になると−40M〜50Mくらいまで上がってくるとのこと。

とはいえ、そこだって十分深い。
なかなか合うことが叶わない。

と、潜っている時。
ナメダンゴを探してくれている須田さんが呼んでいる。

先にみんなが輪になってみてる。
なんだろう?
ナメダンゴが見つかったのかな?

と近寄ってみると、すんげー小さい。
なんだなんだ・・?と目を凝らすと・・・・。

あれ・・・・?

この模様・・・・・!

もしや・・?

ぐわー!!!!!!!!!!!!!!

もしかしてアバチャン幼魚!?!?!?!?!?!

しかも!!
少し離れたところで、もう一匹!!!

水深たった20Mで2個体!
いやー興奮しましたねぇ。ホント興奮した。
全く期待していなかった分、感激と興奮が陸に上がっても当分続きました。

ここにいると、ダイビングを初めて知った頃の初心や、好奇心や冒険心のようなものが、まだ己の中に強く熱く渦巻いている、ということに気づかされてホッとします。

いつも最高の気分を味あわせてくれる関さん、知床ダイビング企画の皆さん、今回もありがとうございます。

ご参加の皆様、ありがとうございます。また行きましょう!